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zoom RSS 回避可能性「記載しない」方針を最終決定/産科医療補償制度

<<   作成日時 : 2009/12/30 23:59   >>

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回避可能性「記載しない」方針を最終決定―産科医療補償制度
https://www.cabrain.net/news/article/newsId/25620.html

2009年12月16日21時37分 / 提供:医療・介護情報CBニュース
医療・介護情報CBニュース
 日本医療機能評価機構の産科医療補償制度原因分析委員会(委員長=岡井崇・日本産科婦人科学会常務理事)は12月15日、第10回会合を開いた。これまでの議論で争点となっていた「(脳性まひの)回避可能性」の原因分析報告書への記載については、原則として記載しないことを決定した。ただ、家族からの質問に対する回答として、報告書とは別に「回答書」を作成し、回避可能性について触れざるを得ない事例については記載することになった。
 「回避可能性の記載」や「家族からの質問に対する回答」については、これまで同委員会で議論されてきたものの意見がまとまらず、別途話し合う「打合せ会」が2日に開かれた。話し合いは非公開で行われ、医療者側委員4人と有識者委員3人などが参加した。 
 事務局によると、2日の話し合いでは岡井委員長が、報告書に回避可能性を記載しないことや、回避可能性について触れざるを得ない事例を含め、家族からの質問については報告書とは別に回答書を作成することなどを提案。これに対し有識者委員は、医学界がやる気を出さないと原因分析は進まないとして、賛同はできないが、最終的には医療側委員の考え方で進めるしかないとの結論に至った。
 ただ、岡井委員長の考え方が医学界の総意かどうかについて、公開の場で医療側委員の意見を求めるべきとの提案があったことから、15日の同委員会で方針を決定することになった。
 この日の同委員会では、事前に送付された岡井委員長の提案に対する医療側委員11人の回答が示された。
 それによると、脳性まひの回避可能性を記載しないことには全員が賛成。また、報告書の本体とは別に、家族の質問への回答書を作成することにも全員が賛成した。一方、家族から回避可能性に関する質問が寄せられ、それに触れざるを得ない事例の場合でも回答書を作成することに対しては、1人が反対、10人が賛成だった。
 この日の「回避可能性」の議論では、事前の「打合せ会」で、有識者委員は傍聴のみで一切発言しないことになっていたが、意見を求められた隈本邦彦委員(江戸川大メディアコミュニケーション学部教授)が、「委員長の意見、賛同する意見の中にも、回避可能性を指摘することが訴訟の種になるという表現があるが、わたしはそう思っていない」と表明。「多くの国民は、医者の分析を権威あるものとして見ている。しかし、国民が何かを信頼する時に権威だけでは信頼しない。権威と中立性、公正性というものを感じた時に信頼する。最終的には信頼性の問題。その信頼性に間違ったメッセージを送るのではないかと非常に危惧している」と訴えた。
 これに対し岡井委員長は、「国民の皆さんが信頼してくれるかどうかは、実際に出たものを見て、それから判断してほしい」と強調。その上で、「大事なことは、脳性まひを減らしていくために医療界全体が進んでいくこと。きちんとした分析ができて、それで学会や医界が防止に取り組む姿勢を強めていく」と述べ、医療提供者側の協力を得る必要性を訴えた。
 これを受け隈本委員は、「正しいことを正確に発言していれば世間は必ず受け入れると思ってはいけない。信頼されるための姿勢を見せなくてはいけない」と強調した。
 次回会合は来年1月に開かれ、原因分析報告書作成マニュアルを決定するほか、同委員会の部会と合同で、実際の事例について原因分析を始める予定。

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原因分析「医療側の考え方で進めるしかない」―2009年重大ニュース(8)「産科医療補償制度」
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/25743.html

 医療分野では初の無過失補償制度「産科医療補償制度」がスタートして、間もなく1年を迎える。今年は12月15日までに8人が補償対象者として認定された。一方、2月からスタートした、制度の中核を担う「原因分析」の在り方についての議論は、「結果回避の可能性」の記載をめぐり、医療側委員と弁護士などの有識者側委員の間で意見が平行線をたどり続け、「原因分析」と「責任追及」を切り離すことの難しさを浮き彫りにした。延々と繰り返された議論は、「医療側委員の考え方で進めるしかない」との有識者側の判断で結末を迎えた。
 脳性まひを発症した原因を分析し、再発防止策を提言する役割を担う「原因分析委員会」は、本委員会と6つの部会で構成されている。
 同委員会の報告書の作成についてはまず、制度の運営組織が分娩機関から提出された診療録・助産録、検査データなどを基に「事例の概要」を作成。これを分娩機関と脳性まひ児の家族が確認するとともに、児の家族から意見書を収集する。その後、同委員会の部会の委員を務める産科医がそれに基づいて報告書案を作成し、部会で報告書を取りまとめる。最終的に、同委員会が報告書を審議し、承認の可否を決定する。
 原因分析の手法としては、日本産科婦人科学会と日本産婦人科医会監修の「産婦人科診療ガイドライン産科編」や、米国産婦人科学会(ACOG)特別委員会が定めた「脳性麻痺を起こすのに十分なほどの急性の分娩中の出来事を定義する診断基準」などを参考にする。臨床行為の医学的評価については「検討すべき事象の発生時に視点を置き、その時点で行う妥当な分娩管理は何かという観点」、再発防止策の提言は「結果から振り返る事後的観点」で検討を行う。
 原因分析委員会の初会合が開かれたのは2 月18日。弁護士や国民を代表する立場の委員も参加する中、「原因分析」と「責任追及」をどう切り離すかの難しいかじ取り役を引き受け、委員長に就任したのは岡井崇氏(日本産科婦人科学会常務理事)だった。就任のあいさつで岡井氏は、「この制度が社会にとって良い制度として定着するためにも、この委員会が果たす役割は大きい。医療提供者の側をやみくもに非難することなく、中立的な立場で事例の分析を行っていかなくてはいけないと考えている」と述べた。しかし、報告書をめぐっては、「一般人にも内容が分かるような報告書の記載方法とは何か」「ガイドラインに記載のない医療行為の評価方法は何か」など、課題は山積みだった。中でも議論が最も紛糾したのが、「結果回避の可能性」の記載の是非だった。
■産科医の協力なしには成り立たない制度
 「この時点で帝王切開をやっていれば、脳性まひにならなかった可能性があると書いたら、ダイレクトには言っていないが、それを担当した医師の責任であると言っているのと同じじゃないか」―。10月19日に開かれた第8回会合で、岡井委員長はこう強く主張し、「結果回避の可能性」の記載に猛然と反対した。
 「(責任追及をしないから)原因が分析できるし、皆が制度に賛成してくれて、保険に入ってくれて、真実を言ってくれる。それが無過失補償制度の基本的な考え方」と岡井委員長が強調するように、「責任追及につながるシステムになってはいけない」裏側には、産科医たちの協力なしには制度が成り立たないという事情がある。「原因分析」には、診療録や助産録、検査データを分娩機関から提出してもらう必要があるが、こうしたデータの提出が「責任追及」につながることは、分娩機関が積極的にデータを出しにくい環境をつくることになる。
 また、制度に加入しない分娩機関が出てくれば、妊婦は分娩場所によっては補償を受けられないことになる。産科医療補償制度への病院の加入率は12月15日現在で100%。診療所と助産所はそれぞれ99.4%、98.4%で、全体では3320機関のうち3303機関(99.5%)が加入している。
 しかし、原因分析委員会の報告書は、「責任追及を目的とするのではない」としながらも、「裁判に訴える権利は止められない」(岡井委員長)ため、これが裁判に利用される可能性がぬぐい切れないという問題を抱えている。このため、外部での報告書の取り扱いは別の問題として、同委員会としては原因を分析するもので、責任を追及するものではないという認識の下、慎重に報告書の在り方の検討を重ねていた。
 しかし、報告書には「児・家族からの情報」の項目が設けられており、家族からの疑問が記載される。疑問の中には、「35週の時にすぐ病院に行っていれば、今回のようなことにはならなかったのではないか」「病院に搬送されていたら、子供は脳性まひにはならなかったのではないか」といった「結果回避の可能性」に関するものも含まれる可能性があり、これに答えようとすると、責任追及につながりかねない表現を使わざるを得ない場合もあろう。
 11月9日に開かれた第9回会合で、事務局は「家族からの質問に対する回答」について、「可能な限りお答えしたい」としたものの、医療提供者の責任追及につながりかねない質問については、基本的な考え方にのっとり、「答えられない」とする案を提示。鈴木利廣委員(弁護士)らが反論し、意見はまとまらなかった。岡井委員長は同委員会での決着は難しいとして、別途話し合う場を設けたいと提案。12月2日、非公開の場で打ち合わせ会が行われた。
■「きっと医療界が良くなると信じている」
 打ち合わせ会の結果は、 12月15日の第10回会合で事務局から報告された。打ち合わせ会では岡井委員長が、報告書に回避可能性を記載しないことや、回避可能性について触れざるを得ない事例を含め、家族からの質問については報告書とは別に回答書を作成することなどを提案。これについて、有識者側として参加した鈴木委員や隈本邦彦委員(江戸川大メディアコミュニケーション学部教授)、豊田郁子委員(新葛飾病院医療安全対策室セーフティーマネージャー)と医療側委員の考え方は平行線をたどった。しかし、有識者側は医学界がやる気を出さないと原因分析は進まないとして、「賛同はできないが、最終的には医療側委員の考え方で進めるしかない」との結論に至ったという。
 会合では岡井委員長の提案に対する医療側委員11人の意見が報告され、脳性まひの回避可能性を記載しないことには全員が賛成。また、家族から回避可能性に関する質問が寄せられ、それに触れざるを得ない事例の場合でも、回答書を作成することに対しては、10人が賛成、 1人が反対だった。
 結論は苦慮に苦慮を重ねたものだったと言える。回答書は報告書に含まないことで、責任追及はしないという同委員会のスタンスを守りつつ、家族の疑問には答えることができる。この回答書は家族と分娩機関に送られるが、公表はされない。
 一方で、議論の終わりに意見を求められた有識者側の隈本委員が、「回避可能性に言及しない原因分析という足かせをすることによって、疑惑を招くということはぜひ考えていただきたい」と述べたように、結論に有識者側が「賛同はできない」としたことも事実だ。隈本委員が指摘したように、「回避可能性の記載が訴訟の種になるかどうか」について、医療側と有識者側の見解は一致しなかった。
 ただ、有識者側委員が「医療界が自ら事故分析に取り組むという非常に画期的な取り組み。それを応援したい気持ちはある」「制度を育てていきたいという気持ちは、委員の皆さん同じ気持ちだと思う」と話すように、医療側も有識者側も同制度に期待を寄せている。制度が定着していけば、ゆくゆくは他の領域の医療事故にも無過失補償制度の対象が広がっていく可能性もある。岡井委員長は制度がまだ成熟していないと指摘しつつ、「国民が信頼してくれるかどうかは、どういう報告書が出るかを見て判断してほしい。今までよりもきっと医療界が良くなると信じている」と述べている。実際の事例分析は年明けから始まる。
更新:2009/12/29 10:00   キャリアブレイン

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