塩原発電所の緊急・暫定使用/発電所はあり余っている!

 止めてしまった火力発電所が相当あるらしいが詳細不明。
 今回のような水力発電所は急な発電に対応可能であるという。原子力や火力は調整が難しいらしい。
 塩原発電所は揚水式で、上下の2つのダムの間で昼間発電し、夜間は余った電力で揚水している。発電能力は90万キロワットというが、昨日は使ったのは1/3のみのようだ。
上下のダムで水を上げ下げしているだけだから、水利使用許可が必要という理由もわかりにくい。
 古い論文だが、「発電所はあり余っている」という。

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原子力を巡る基礎知識 - その5
過剰な発電所と無力な原子力
京都大学 原子炉実験所 小出 裕章
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/kouen/dent-05.pdf
発電所はあり余っている
 前回までに示したように、多くの人たちの思い込みに反して、原子力は貧弱な資源であり、未来のエネルギー源にはなりえません。それでも日本では現在、電力の30%を超える部分が原子力で供給されています。そのため、原子力を廃止すれば電力不足になると思っている日本人は多いと思います。また、今後も必要悪として受け入れざるを得ないと思っている人も沢山います。そして、原子力利用に反対すると「それなら電気を使うな」といわれます。
画像 しかし、発電所の設備量で見ると、原子力は全体の18%しかありません。その原子力が発電量では3割を超えているのは、原子力発電所の稼働率だけを上げ、火力発電所のほとんどを停止させているためです。原子力発電が生み出したという電力をすべて火力発電でまかなったとしても、なお火力発電所の設備利用率は7割にも達しません。それほど日本では発電所は余ってしまっていて、年間の平均設備利用率は5割にもなりません。つまり、発電所の半分以上を停止させねばならないほど余っているのです。
ただ、電気は貯めておけないので、一番たくさん使うときにあわせて発電設備を準備しておく必要があります。それでも、最大電力需要量が火力・水力発電の合計でまかなえなかったことはほとんどありません。電力会社は、水力は渇水の場合には使えないとか、定期検査で使えない発電所があるなどと言って、原子力発電所を廃止すれば電気の供給が足りなくなると主張しています。しかし、極端な電力使用のピークが生じるのは一年のうち真夏の数日、そのまた数時間のことでしかありません。かりにその時にわずかの不足が生じるというのであれば、自家発からの融通、工場の操業時間の調整、そしてクーラーの温度設定の調整などで充分乗り越えられるはずです。
原子力は化石燃料を代替できない
原子力が化石燃料の代替エネルギーとして有用だと思っている人たちもいます。また、日本は政治情勢が不安定な中東から石油を輸入しているため、有事の際に原子力があれば役に立つという主張もあります。
その点に関連して、日本における最終エネルギー消費の分野別割合を下の図に示します。画像最終エネルギー消費全体のうち、電力として用いられる割合は全体の2割、その他の8割は産業・運輸・非エネルギー(化学工業の原料)・民生の分野で石油などの化石燃料が直接用いられています。鉄鋼業など高温を必要とする大企業では、蒸気タービンを回すだけの原子力では役に立ちません。町工場が原子炉を持つこともできません。自動車や列車が原子炉を積んで走ることもできません。各家庭に原子炉を置くこともできません。原子力にできることは発電だけです。その上、原子力発電は小回りの利かない発電方法であるため、基底負荷としてしか利用できません。結局、原子力に石油の代替ができると言ってもせいぜいエネルギー消費全体の1割でしかなく、もともと原子力に石油の代替などできる道理がなかったのでした。残りの9割はいずれにしても石油や天然ガスなどの化石燃料がなければ成り立たず、いざ「有事」になってしまえば、原子力など「焼け石に水」程度の力しかありません。
世界の差別と平和
残念ながら、日本がただちに劇的にエネルギー消費を減らすということは期待できません。当面、日本が中東の石油に依存せざるをえない状況は続くでしょう。そうであれば、大切なことは中東を含めた世界の平和の維持に積極的な役割を果たすことです。世界が「有事」で困難な状況になった時でもなお、日本だけはふんだんにエネルギーを使い続けたいと考えることが間違いです。
世界の平和を維持するためには、差別の解消が不可欠です。しかし、現実の世界には厳しい差別があります。極端にエネルギーが不足すると人は生きていられませんが、一方には、自国で生み出したエネルギーのうち9割以上を外国に輸出してしまい、現在も平均寿命が40歳台の国があります。また一方には、自国で生み出したものの10倍以上のエネルギーを、生きることに無関係なことに使う国があります。後者の例が日本です。このような状態が将来もずっと続くと思う人がいるとすれば不思議というほかありません。
日本はエネルギー資源の乏しい国です。その日本が本当にエネルギー危機を避けたいと思うのであれば、浪費をしなくても快適に生きられるような資源小国なりの社会システムを作ることが大切です。化石燃料でも原子力でも何でもかんでも持ってこいと言い続けるのであれば、破綻は避けられずにやってきます。


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中国電力は、水力発電所全機で、取水量のデータを改ざんしていた!
http://blog.livedoor.jp/aoumigame/archives/50958204.html
ブログ:核燃料サイクルの周りをグルグルと より
中国電力によると、2004年から3年間を調査。水力発電所の運転で利用する川の水について、河川法に基づき国などと決めた「許可最大取水量」の数値を超えた場合、70か所で監視制御プログラムで不正に修正。11か所は手作業でデータを改ざんしていた。
無断使用70か所というのは、別の取水口を設けたり、発電機の冷却用や雑用水などに転用したりしていた。この制御プログラムは中国電力が1995年ごろに作成したという。
2月中旬、東京電力と関西電力の水力発電所計255か所で取水データを改ざんしていたことが発覚。国土交通省が電力10社すべてに再調査を指示していた。
(2007年3月14日 読売新聞より抜粋)


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塩原発電所の緊急・暫定使用見合わせについて
http://www.tepco.co.jp/cc/press/07082101-j.html
 平成19年8月21日
 東京電力株式会社
 当社は、本日未明より、万一、本日の電力需給が厳しくなった際に万全な体制で臨むべく、国土交通省から期間限定の水利使用許可※1をいただいた塩原発電所(所在地:栃木県那須塩原市 出力:90万kW 揚水式水力発電所※2)を緊急・暫定的に発電できるよう、下部ダム(蛇尾川[さびがわ]ダム 所在地:栃木県那須塩原市)から上部ダム(八汐[やしお]ダム 所在地:栃木県那須塩原市)へ水を汲み上げ、発電できるよう準備しておりました。
 しかしながら、本日、塩原発電所の緊急・暫定使用には至りませんでした。
 お客さまをはじめ広く社会の皆さまに、節電にご協力いただきましたことを、心より御礼申し上げます。
 当社では、引き続き電力の安定供給を確保するために全力を挙げて取り組んでまいります。大変ご迷惑とご心配をおかけし誠に申し訳ございませんが、明日も引き続き一層の節電にご協力いただきますようお願い申し上げます。
                                  以 上
<参考>本日の需要実績(速報値)
 需要実績 6,013万kW(午後2時~3時)
※1:期間限定の水利使用許可
 7月26日、国土交通省関東地方整備局へ塩原発電所の緊急・暫定使用に伴   う河川法第23条(流水の占用許可)の申請を行い、7月30日、同局より7月30日から9月7日までの期間限定の水利使用許可書を受領しました。
※2:揚水式水力発電所
 運転開始から最大出力になるまで数分、出力調整にかかる時間は数秒という優れた特長を持っており、電力需要の急激な変動に即応できることから、昼間の最も電力需要が高くなる時の電源として大きな役割を担うことができます。
 主に地下につくる発電所と、これをはさむ上部と下部の2つのダムからなり、電気の需要の多い昼間に上部ダムから下部ダムに水を落として発電し、一方、電気の需要の少ない夜間に下部ダムから上部ダムに水を汲み上げ、再び昼間に発電できるよう備えています。

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電力需給が窮迫 東電、塩原発電所を緊急稼働
http://www.asahi.com/life/update/0822/TKY200708220099.html
2007年08月22日13時23分
画像 新潟県中越沖地震で柏崎刈羽原子力発電所が全面停止し、電力の供給余力が少なくなっている東京電力は22日、同日午前の最大電力(電力需要)の伸びが予想を超え、自社の供給力を上回る恐れが出てきたとし、「随時調整契約」を結んでいる顧客の一部に対し、午後から電気の使用抑制を求めると発表した。緊急時だけ使用が認められている栃木県の塩原発電所(水力)も午後1時過ぎに稼働させた。
 東電は22日朝、同日の最大電力を、東京の最高気温が35度になった場合は6100万キロワットになると想定。これに対し6250万キロワットの供給力を準備していた。ところが、午前10時台に最高気温は35度を突破。最大電力も10時台の平均が5942万キロワットに達した。気温が1度上がれば最大電力が170万キロワット増えるため、供給能力を超える可能性が出てきた。
 随時調整契約は電気料金を割り引く代わりに電力需給が窮迫した際には電気の使用を控えてもらう内容で、履行請求は90年8月以来17年ぶり。大手メーカーや役所などの契約相手に通知し、電気の使用を控えてもらう。同契約の履行請求で15万~20万キロワットの電力をカットできる。塩原発電所は90万キロワットの電力を供給できる。
 東電は22日、北海道、東北、中部電力から計120万キロワットの電力を新たに応援融通してもらった。

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