「救急は名ばかり」大阪地裁言及 妊婦の遺族訴えは棄却/奈良 大淀病院 妊婦死亡

「救急は名ばかり」大阪地裁言及 妊婦の遺族訴えは棄却
2010年3月1日15時5分
http://www.asahi.com/national/update/0301/OSK201003010134.html

写真:判決後の会見で、落胆の表情を見せる原告の高崎晋輔さん=1日午後、大阪地裁、新井義顕撮影判決後の会見で、落胆の表情を見せる原告の高崎晋輔さん=1日午後、大阪地裁、新井義顕撮影

 奈良県大淀町の町立大淀病院で2006年8月、出産中に意識を失った高崎実香さん(当時32)が19病院から転送を拒否された末に脳内出血で死亡したことをめぐり、夫の晋輔さん(27)=奈良県三郷町=ら遺族が町と当時の担当医師(62)に慰謝料など約8800万円の賠償を求めた訴訟で、大阪地裁の大島真一裁判長(島村雅之裁判長代読)は1日、遺族の「診断を誤り、すぐに処置しなかったのが原因」とする訴えを棄却する判決を言い渡した。
 ただ判決は、付言で「もっと早く搬送されれば助かったのではという気持ちは十二分に理解できる」と指摘。そのうえで、日本の救急医療について患者が何時間も待たされる事態があることを挙げ、「救急医療とは名ばかり。命を守ることは国や地方公共団体に課された最も基本的な義務だ」と述べ、救急体制整備に異例の言及をした。

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妊婦転送死訴訟:遺族の請求棄却 裁判長、救急医療充実を
http://mainichi.jp/select/today/news/20100301k0000e040070000c.html
2010年3月1日 15時10分 更新:3月1日 17時35分
 奈良県大淀町立大淀病院で06年8月、同県五條市の高崎実香さん(当時32歳)が分娩(ぶんべん)中に意識不明となり、転送先で死亡した問題を巡り、遺族が町と産科医に約8800万円の賠償を求めた訴訟の判決が1日、大阪地裁であった。大島真一裁判長(島村雅之裁判長代読)は遺族の請求を棄却したが、19病院から受け入れを断られた経緯に触れ、「産科救急医療の崩壊と言われており、充実を願いたい」と意見を述べた。
 原告は、夫晋輔さん(27)と転送先で生まれた長男奏太ちゃん(3)。
 実香さんは06年8月7日、分娩のため同病院に入院。8日午前0時ごろ頭痛を訴え、間もなく意識不明になり、けいれんを起こした。産科医は妊娠高血圧症の子癇(しかん)と診断し、病院は産科救急の転送先を探し始めたが、19病院から受け入れを断られた後、同5時47分ごろ、約60キロ離れた国立循環器病センター(大阪府吹田市)に搬送。頭部CT検査で血腫が見つかり、帝王切開で奏太ちゃんが生まれたものの、実香さんは同月16日、脳内出血で死亡した。
 原告側は「当初から脳の異常を疑っていれば適切な対応ができ、救命できた」と主張。町と産科医側は「当初の段階では誤診とは言えず、救命可能性もなかった」と反論していた。判決は「午前0時の段階で脳内出血が生じたと考えられ、救命可能性は低かった」と指摘した。【日野行介、高瀬浩平】

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転院拒否で妊婦死亡、遺族の賠償請求を棄却
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100301-OYT1T00808.htm
 奈良県大淀町立大淀病院で2006年8月、出産時に意識不明になった高崎実香さん(当時32歳)が計19病院に転院を拒否された末に死亡した問題で、「主治医の判断ミスで転院が遅れた」として、遺族が町と主治医に計約8800万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が1日、大阪地裁であった。
 大島真一裁判長(島村雅之裁判長代読)は「主治医に過失はなかった」として請求を退けたが、国や地方自治体に対し、救急医療体制の充実を求める異例の付言をした。
 判決によると、実香さんは06年8月8日未明、大淀病院で出産中に頭痛を訴えて意識を失い、けいれん発作を起こした。約6時間後に大阪府吹田市の国立循環器病センターに搬送され、長男、奏太(そうた)ちゃんを出産したが、8日後、脳出血で死亡した。
 遺族側は「頭部CT検査を行うべきだった」と主張したが、判決は「CT検査を実施すると、検査中に搬送先が決まる可能性が高く、検査より搬送を選択した判断は十分に合理的だ」とした。
 また、付言の中で大島裁判長は「大淀病院の常勤産科医は被告だけで、夜を徹して転送手続きを行い、午前中の診察にあたった」と主治医が過重労働の状態にあったことを指摘。「こうした医療体制をそのままにすることは、勤務医の立場からも患者の立場からも許されない。実香さんの死を無駄にしないためにも、産科などの救急医療体制が充実し、1人でも多くの人の命が助けられることを切に望む」とした。
 西浦公章・町立大淀病院長の話「様々な観点から審理が尽くされた結果だと受け止めている。今後、医療体制の充実に努力する」
(2010年3月1日15時04分 読売新聞)

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奈良の妊婦死亡、遺族請求棄却 大阪地裁「担当医に過失なし」
http://www.47news.jp/CN/201003/CN2010030101000459.html
 奈良県大淀町立大淀病院で出産時に意識不明となり、相次いで転院を断られた後に死亡した高崎実香さん=当時(32)=の夫晋輔さん(27)らが、町と担当医に約8800万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、大阪地裁は1日、「担当医に過失はなかった」として遺族側の請求を棄却した。
 遺族側は「意識を失った時点で脳内出血を疑い、適切な処置をしていれば救命はできた」と主張していた。
 判決理由で大島真一裁判長は「脳の検査より転送を優先した担当医の判断に過失はない」と指摘、「症状の進行は急激で、担当医が最善の処置をしたとしても救命はできなかった」と判断した。
 判決によると、2006年8月8日未明、分娩のため入院していた大淀病院で意識不明になり、約20の病院から受け入れを断られた後、転送先の大阪府吹田市の病院で男児を出産したが、8日後に脳内出血で死亡した。

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奈良妊婦死亡、遺族の請求棄却~大阪地裁
< 2010年3月1日 18:30 >
http://www.news24.jp/articles/2010/03/01/07154502.html
 06年に奈良県の病院で出産時に意識不明となった高崎実香さん(当時32)が19の病院に搬送を断られて死亡した問題をめぐり、遺族が損害賠償を求めていた裁判で、大阪地裁は1日、「病院側の過失はない」として遺族の訴えを退けた。
 高崎さんは06年、奈良・大淀町立大淀病院で出産中に意識を失い、19の病院に受け入れを断られた末、搬送された大阪府の病院で出産後、脳内出血で死亡した。裁判で、夫・晋輔さんらは「意識を失った時点で頭部の画像診断を行っていれば助かった」として、医師らに損害賠償を求めていた。
 1日の判決で、大阪地裁は「医師の判断に過失はなく、ほかの病院への搬送が順調だったとしても命は救えなかった」などとして原告の訴えを退けた。

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19病院たらい回し死去「医師の過失ない」賠償認めず
http://www.tv-asahi.co.jp/ann/news/web/soci_news13.html
 奈良県で出産中に意識不明となり、19の病院に受け入れを断られて死亡した女性の夫が医師らを相手に損害賠償を求めた裁判で、裁判所は訴えを退けました。しかし、裁判所は「日本の救急医療は名ばかりだ」とも述べ、現状を厳しく批判しています。
 妻を亡くした高崎晋輔さん:「判決を言われてから頭の中が真っ白になって、実香に申し訳ない」
 高崎晋輔さんの妻・実香さん(当時32)は4年前、奈良県大淀町の病院で出産中に意識不明となり、19の病院で受け入れを拒否されました。子供は生まれましたが、実香さんは脳内出血で死亡。晋輔さんは「医師の過失で妻の命が奪われた」として、主治医らを相手に損害賠償を求めていました。判決で、大阪地裁は「医師の過失があったとはいえず、また、受け入れ拒否がなくても命は救えなかった」と訴えを退けました。しかし、判決は、「付言」として「日本の救急医療は名ばかり。整備は行政の責務だ」と、現在の救急体制を批判する異例の言及を加えました。
 判決後の高崎晋輔さん:「産科医療界が厳粛に受け止め、改善されていくことを切に願います」
 高崎さんは「判決は不満だが、子供との時間を増やしたい」と話しました。被告側は「評価できる判決」としています。

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担当医の過失認めず 妊婦転院拒否死
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2010030202000068.html
2010年3月2日 朝刊
会見で唇をかむ高崎晋輔さん=1日午後、大阪市で
写真

 奈良県大淀町立大淀病院で出産時に意識不明となり、相次いで転院を断られた後に死亡した高崎実香さん=当時(32)=の夫晋輔さん(27)らが、町と担当医に約八千八百万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、大阪地裁は一日「担当医に過失はなかった」として請求を棄却した。
 大島真一裁判長は判決理由で「脳の検査に要する時間を考えると、高度な診療が可能な医療機関への搬送を優先した担当医の判断に過失はない」と指摘。「症状の進行は急激で、担当医が想定しうる最善の処置をしたとしても救命はできなかった」として担当医の判断と死亡の因果関係を否定した。
 一方で判決の最後には「早く搬送されていれば助かったかもしれないという遺族の気持ちは十二分に理解できる」とした上で、「救急医療は崩壊の危機にあると言われている。実香さんの死を無駄にしないためにも、産科などの救急医療体制が充実し、一人でも多くの命が助けられることを望む」と付言した。
 遺族側は「意識を失った時点で脳内出血を疑い、脳の検査をした上で適切な処置をしていれば救命はできた」と主張していた。
 残念で言葉がない
 原告の高崎晋輔さんの話 残念で言葉がない。判決を(死亡した妻に)申し訳ないとの思いで聞いた。控訴については、今は何も考えていない。

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