九電、社員らにやらせメール指示/玄海原発の発電再開

九州電力:佐賀知事に玄海原発所長ら幹部が献金
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110709k0000e040081000c.html
古川康後援会の08年分の政治資金収支報告書に記載されている個人寄付。下から2、3番目が九電幹部。交代後も毎年3万円が寄付されている(一部画像を処理しています)=2011年7月9日撮影
 九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)の所長ら九電幹部が佐賀県の古川康知事の政治団体に対し05年以降、毎年3万円を個人献金していたことが分かった。献金は玄海原発や地元佐賀支店の要職に就いている時期だけ行われ、金額は一律3万円。政治資金規正法は政党以外への企業献金を禁止しているが、専門家は「個人献金の形を取った事実上の企業献金だ」と指摘している。
 古川知事の政治団体「古川康後援会」の政治資金収支報告書によると、九電幹部による個人献金は知事就任2年後の05年から始まり毎年、玄海原発所長、佐賀支店長がそれぞれ3万円を寄付。所長は07年、支店長は07年と09年に交代しているが、交代後も寄付額は3万円と変わらず、時期も毎年10~12月に集中している。このほか3、4号機担当の玄海原発第2所長も05~07年に毎年1万5000円を寄付。古川知事の資金管理団体「康友会」にも現副社長(元佐賀支店長)が07~09年に5万円ずつ献金しており、2団体への寄付額は05~09年で計49万5000円に上る。
 個人献金した元支店長は毎日新聞の取材に「プルサーマル発電を推進したいという気持ちがあったので献金した。金額は自分で決め、他の人の献金状況についてはわからない」と組織ぐるみの献金を否定。九電も「個人がそれぞれの考え方で行っているもので、会社として関知していない」と話している。
 玄海原発を巡っては06年、専門家から危険性が指摘されたMOX(ウラン・プルトニウム混合酸化物)燃料を使用するプルサーマル発電について、古川知事が「安全性は確保される」として同意。09年に3号機で全国初のプルサーマル発電が始まった。
 一方、福島第1原発事故を受けて定期検査後も停止したままの2、3号機の再稼働問題が浮上。古川知事はいったんは「安全性の確認はクリアできた」と容認姿勢を示したが、その後に国が打ち出した全原発での耐性試験実施方針や、九電の「やらせメール」問題発覚を受けての最終判断が注目されている。
 電力各社は大幅な電気料金の値上げを断行した74年に「公益企業として不適切」として、政治資金規正法で認められている政党や、政党が指定する政治資金団体への企業献金も自粛している。
 九電幹部らから古川知事の政治団体に対する献金について、神戸学院大法科大学院の上脇博之教授(憲法学)は「特定のポストから退いたら献金していない状況をみれば、個人の意思でやっているとは思えない」と指摘。「組織的に行われているのであれば本来は受け取ってはいけないお金だ。原発に権限を持っている知事ならなおさら辞退すべきではないか」と話している。
 古川康後援会は「個人として寄付されたもので、企業献金の認識はない。原発と結びつけて考えるところは何もない」と話している。【関谷俊介、三木陽介】
毎日新聞 2011年7月9日 15時50分(最終更新 7月9日 15時50分)

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九電のやらせ情報、佐賀県が放置 番組前に県議が指摘
http://www.asahi.com/national/update/0710/SEB201107100002.html
 九州電力玄海原発2、3号機の運転再開を巡る九電の「やらせメール」問題で、舞台となった佐賀県民向け説明番組の直前に、県側が県議から「やらせ」の指摘を受けたのに対処せず、放置していたことが分かった。県の求めに応じて番組を主催した国に報告せず、九電にも確認していない。県側は「県議の指摘は具体的な情報ではなかった」と説明している。
 武藤明美県議(共産)によると、番組放送前日の6月25日夜、九電側が関係会社の社員に対し、原発の運転再開に賛成するメールを番組に送るよう指示した文書を入手。番組開始の約1時間前の26日朝、県庁内で、原子力行政を所管する県くらし環境本部の担当者に「(九電側から)指示が出ている。入札の談合のようなものだ」と訴え、番組の中止を求めたという。
 取材に対し県は「担当者は実際の文書を見ておらず、県議から具体的な対応の指示はなかった、と話している」と説明。番組開始10分前に担当者から報告を受けたという古谷宏本部長は「県議の話は具体的な情報ではなく、国に伝えようもなかった」と話した。

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やらせメール、佐賀県通報無視
九電やらせメール:番組前に関連会社社員から内部告発
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110709k0000e040062000c.html
 原発の安全性を説明する番組を巡って起きた九州電力の「やらせメール」問題は、関連会社社員の内部告発がきっかけで発覚したことが9日、関係者の話で分かった。
 また九電側が、玄海原発(佐賀県)の運転再開に賛成する意見を番組に送るよう子会社社員らに依頼したメールの存在は、番組放送の直前に佐賀県幹部に伝えられたが、確認作業がなされないまま番組が進行していた。
 佐賀県の武藤明美県議(共産)らによると、番組前日の6月25日に知人を通じ、九電からの依頼が記された文書を入手。文書には九電が子会社に送ったメールと同趣旨の内容が記されており、関連会社社員が武藤議員の知人に「こんなことがあっていいのか」と知らせたという。
 武藤県議は番組放送直前の26日朝、佐賀県幹部に「九電側が、番組中に賛成のメールを送るよう指示した文書がある」と伝えたが、県は九電に事実関係を確認しないままだった。
 県幹部は「まさかと思った。(原発の安全性について)国がどう説明するかに集中していた」と釈明している。
毎日新聞 2011年7月9日 13時39分

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九電関連会社、全社員2100人にやらせメール要請公開
http://www.asahi.com/national/update/0707/SEB201107070021.html
 玄海原発(佐賀県玄海町)の運転再開に賛成するメール送信を九州電力が関連会社に指示していた問題で、要請先4社のうち1社が、全社員約2100人に九電の要請内容を公開していたことが分かった。
 この会社は九電の発電所の建設・補修などを請け負う西日本プラント工業(福岡市)。同社によると、九電の要請メールを6月22日に受信した原子力部門が、同23日に総務部に「九電側から依頼があったので社内に周知したい」と打診。同日、社員だけがアクセスできる企業内インターネット上の掲示板に要請文とほぼ同内容の文書を掲載した。
 文書は、6月26日に玄海原発の安全性をPRするため国が企画した佐賀県民向けの「説明番組」の放送中に、原発再開に賛成する意見や質問をメール送信するよう促す内容だという。
 西日本プラント工業は社員による番組への投稿件数などを調べている。執行役員の谷恭一総務部長は「原子力発電の必要性、安全性への理解を頂きたかった。社員への命令ではなく、お願いという形で掲示板に出した。親会社の協力要請なので歩調を合わせたが、申し訳なかった」と話した。(河村能宏)

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九電社長、辞意固める やらせメール問題で引責
http://www.asahi.com/business/update/0707/SEB201107070017.html
2011年7月7日15時2分
 九州電力幹部が社員らに対し、国主催のテレビ番組に原発再開に賛成する電子メールを送るよう指示していた問題で、同社の真部利応(としお)社長(66)は7日、経営責任を明確にするため、近く辞任する意向を固めた。海外出張中の松尾新吾会長と週明けにも自身の進退について最終結論を出す。
 真部社長は6日夜の記者会見で、発覚した「やらせメール問題」について「私は知らなかったし、指示していないが、とにかく責任は私にある」と発言。7日午前には、朝日新聞の取材に「後任の調整もあり、私の一存では決められない。(社長を)続けるにしても長くはない」と述べて、原因究明や再発防止策に一定のめどが付いた段階で、辞任する考えを示した。
 週末に北欧出張から帰国する松尾会長と11日にも会い、進退について協議し、最終的な結論を出す。原発再開問題などの懸案が山積していることもあり、辞任する時期などについて話し合う。後任には、総務担当の藤永憲一取締役(60)らが浮上している。

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九電、社員らにやらせメール指示…再稼働問題で
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110706-OYT1T00926.htm
画像九州電力が子会社などに送ったメール

 九州電力玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)2、3号機の再稼働問題で、九電の真部利応社長は6日記者会見し、経済産業省が6月に県民向け説明会を開いた際、九電が子会社や一部社員に対し、一般市民を装い、再稼働に賛成する意見を電子メールで説明会に送るよう指示していたと発表した。
 真部社長は「説明会の信頼を損ねる形になり、心からおわび申し上げる」と謝罪。読売新聞の取材に対し、進退を検討する考えを示した。
 説明会は6月26日、佐賀市で開かれ、国が選んだ県民の代表7人が出席。質疑は番組としてケーブルテレビとインターネットで生中継された。メールとファクスで意見や質問を募集し、一部は番組で紹介された。
 九電によると、指示は同22日、九電本社原子力発電本部に在籍する課長級の男性社員のメールアドレスから、子会社4社と九電の3事業所(玄海原発、川内原発、川内原子力総合事務所)の社員各1人にメールで出された。発電再開を容認する立場から、県民の共感を得るような意見や質問を発信するよう求め、自宅からネットに接続するよう指示した。
(2011年7月7日03時27分 読売新聞)

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九電やらせメール:再稼働「やり直し」 社長、表情硬く
http://mainichi.jp/select/biz/news/20110707k0000m040142000c.html
玄海原発の発電再開に賛成する「やらせメール」を送るよう依頼した責任の所在を認めた九州電力の眞部利應社長(左)。会見後の記者との質疑応答では、ハンカチで口を押さえる場面も=福岡市中央区で2011年7月6日午後8時42分、和田大典撮影

 九州電力の緊急記者会見は6日午後7時半から始まった。出席者は眞部利應(まなべとしお)社長のみ。国会で“やらせメール”の問題が取り上げられ、経済産業相が「(事実なら)断固とした処置を取る」と語った後だけに、メモを見ながらの慎重な言い回しに終始した。
 冒頭、「やらせメール」の事実を認め「国の説明会の信頼を損なう結果になった」と頭を下げた。しかし、その後の質疑応答では、メール発信を依頼した社員の肩書や依頼先の4社の社名などの具体的な内容を途中まで明らかにしようとはせず、質問に「ノーコメント」を繰り返した。
 メールの送信依頼に自身が関与したことは否定したが、「責任は社長にある」。責任や反省といった言葉が繰り返されたが、番組を視聴した地元住民に向けた謝罪の言葉は聞かれなかった。メールによる工作があったことは「2、3時間前に知った」として、詳細を明らかにしなかったため、会見は約1時間20分に及んだ。
 会見では、今回のメール工作が再稼働に与える影響についても質問が出た。「運転再開、原子力のあらゆる面にマイナスにしかならない。理解活動以前の問題。ま、やり直しですね」。そう答えた時の表情は硬く、疲れた様子だったが、信用失墜への危機感はあまりうかがえなかった。【金秀蓮、斎藤良太】

◇九電が関連会社に送信したメール(6月22日付)の概要◇
協力会社本店 各位
標記については、報道等により今週末に開催される旨、すでにご承知のことと存じます。
●件名:国主催による佐賀県民向け説明会(原子力発電所の安全性)
●日時:6月26日(日)
●配信:
(1)やり取りは生中継され、視聴者からの質問もファクスや電子メールで同時に受付。
(2)アドレスは現時点で非公開ですが、佐賀県庁HPや経産省HPに掲載予定。
(3)小職にて、継続してサーベイし、判明次第、追って追伸予定。
 本件については、我々のみならず協力会社におかれましても、極めて重大な関心事であることから、万難を排してその対応に当たることが重要と考えております。
 つきましては、各位他関係者に対して、説明会開催についてご周知いただくとともに、可能な範囲で、当日ネット参加へのご協力*をご依頼いただきますよう、御願い致します。
*:説明会の進行に応じて、発電再開容認の一国民の立場から、真摯に、かつ県民の共感を得うるような意見や質問を発信。
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(注)一部は原文のまま記載しています
毎日新聞 2011年7月7日 1時11分(最終更新 7月7日 9時28分)


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